寝室に掛け時計が欲しいと思ってました。
仰向けのまま壁を見上げると、
ぽっかり浮かんだ古びた街並みが、
眠い目に飛び込んでくる寸法です。
ガタン、ゴトン
ガタン、ゴトン
トンネルの向こうから線路を響かせ、
こちらに向かって電車が走ってきた!
短い針が5ぴったりを指し示すとき、
ふとん駅からの出発ベルが鳴り渡る。
とても憂鬱な朝の始まりなのに、
なんだか幸せを感じるひととき。
時計に向かって挨拶するだなんて、
変とは知りつつ、でも、ほっこり。
※音のなる機能はありません。
※すがのたかね様の作品